さよならソングは涙色 14

 

 

 

 

今もまだ好きだよ 好きなんだ 君が、好き

 

君が隣にいない事が こんなにも切ないなら

二人出逢わなければ 何度も思っては俯いて

いつだって目を閉じ浮かぶのは 君の笑顔と優しい手のひら

“前を向かなきゃ” わかっているけど

やっぱり君といたあの日々は消したくない 忘れられなくて

矛盾した想いに足をとられ 今もまだコノ場所から動けない

 

誰も居ない隣 今ではもう当たり前の毎日で

君の面影を思い出すたび 高鳴る鼓動

優しい口付け 初めて重なったあの日

目が合った瞬間 照れたようにお互い笑ったね

そんな儚い想い出 背負っているのは僕だけなのかな

君はもう新しい道を歩んで 僕じゃない誰かの隣で笑っているの?

 

嫌だよ いやだ

君のために流す涙 枯れ果てその意味も忘れた

名前も何も知らなかったあの頃

何も知らずに笑えたあの頃

戻れたのなら どれほど幸せなんだろう

 

叶わない願い 何度願ったって君はもうここに居ない

たとえ君が僕のモノでなくったって 僕はまだ…

 

 

 

「君が好き、なんです。」

 

 

 

私でも誰かを愛せるんだって知った。

君のおかげで、だけど苦しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

調べた。

ちゃんと上映はしていた。

 

 

 

(……よく考えれば、すごくノープラン。)

 

 

 

映画に行くって決まったのは昨日。

そして五講義目か六講義目が終わった後に行くって決まった。

でも、それ以外、何にも決まってなかった。

 

 

 

(どうするんだ、どうすればいいんだ。)

 

 

 

まさか、このままこの話はなかった事になるんじゃ。

別にそれはそれで……いや、それでは私の苦労が水の泡になる。

せっかく調べたんだ。

どこの映画館で上映してるとか、何時からのなら間に合うとか…全部私が調べたのに。

 

それにしても何でこんな展開になっているんだと、一人頭を悩ませる。

よくよく考えると、丸井ブン太とこんな風に二人きりになることなんて、今までなかったじゃないか。 どう接すればいいのだろう。

お昼の時に杏璃にこの事を告げると、杏璃は「別に友達として、じゃない?」とあっけらかんと言っていたのでそう信じる事にする。

それでも一人であーだこーだ悩んでいるうちに、気が付けば五講義目の講義を終えようとしていた。

 

 

 

「行くのか行かないのか、どっちなんだよ…。」

 

 

 

着信もメールもない携帯を握り締め、独り言を呟いて頬を膨らませる。

チャイムが鳴って、重い腰を上げて教室を出た。

 

 

 

「あっ、」

 

 

 

一号館の建物を出れば、パッと目に付く見慣れた赤。 これまた偶然。

思わず足が止まって、全身がビクンと震えた。

すると向こうも私の存在に気づいたらしく、すぐに「よっ」と言って手を上げた。

彼の周りには仁王君と、見慣れない女の子が数人。

その全員が一斉にこちらを向いた。 わお。

 

 

 

「ま、丸井君…今日どうするの? 行くの?」

 

 

 

気づかれては無視はできまい。 どんだけ感じ悪いんだ。

私は仕方なく腹を括り、止まっていた足を丸井ブン太の方へと向けて彼に問う。

丸井ブン太の周りの視線が、何だかものすごく居心地を悪いものへとさせた。

 

 

 

「うーん、行く。」

「じゃあこの後どうするの? 私図書館行ってようか?」

「……ううん、いい、サボる。」

「サボるの?」

「ん。 つーわけで、お前ら、俺の出席頼んだぜぃ!」

 

 

 

丸井ブン太は腹を決めたのか、周りの友達に笑顔でそう言った。

出席代筆させるとか、わーるいんだ。 かく言う私もたまにするけど。

友達は「任せてー。」と言って笑顔で手を振った。 そして何故か私にも振ってくれた。 良い人達だ。

 

 

 

「んで、どこでやってんの?」

「んとね、一回電車乗って二駅先の街に出てー…どっかの映画館。」

「…最後アバウト過ぎねぇ?」

「ちゃんと調べたんだよ。 ちょっと小さめの映画館でね、今からなら六時のに間に合うかな。」

「小さめの映画館ってどこだよ…。 場所わかんの?」

「うーん、たぶん。」

「信用できねぇなー…。」

 

 

 

そう言って笑う丸井ブン太を少し横目で盗み見しながら駅の階段を上る。

すると上から降りてきた女の子が「ブン太っ!」と言って手を振った。

 

 

 

「おっ、今から授業?」

「そーだよ、ブン太も一緒の授業じゃん。 はーん、ってことはサボリだな。」

「そーゆこと。 明日にでもノート見せてくれな。」

「はいはい。 貸し一つね。」

「んじゃ、これでシクヨロ。」

 

 

 

ガムが宙を舞って、綺麗に女の子の手のひらにぴったりと収まる。

「しゃーないな。」と言って女の子は笑って学校へと向かって歩いて行った。

 

 

 

「わり、行こっか。」

「あ、うん。」

 

 

 

そのやり取りを黙ってじっと見ていた私に軽く謝って残りの階段を上り切る。

少しだけ、ボーっとしていた自分にハッとした。 いけないいけない。

丸井ブン太って結構顔広いんだって、どこかでぼんやり考えながら丁度来た電車に乗り込む。

座席は空いてなくて、二人並んでドアに持たれかかりながら立つことになった。

 

 

 

「あーそれにしても授業疲れたー。 しんどいわ。」

「うん、眠たい。」

「睡眠不足?」

「最近寝るの遅いんだー。 映画寝るかも。」

「無理、起こす。」

「ヤダ、寝かせて。」

「つーか寝に行くつもりかよ。 寝たらお前罰ゲームな。」

「はあ? それってほぼ勝ち目ないじゃん、ヤダ!」

「はいムーリ。」

 

 

 

ぷーっとガムを膨らませてパンッと割る。

その動作をじっと見つめながら、ゆらゆらゆらゆら電車に揺られる。

車窓に差し込む日差しが心地よい。 立ったまま寝そうだ。

 

 

 

「そういや映画館って駅出てすぐにあるじゃん。 あそこじゃねぇの?」

「うん、あそこじゃないの。 あそこだったら私だってわかるよ。」

「えーあそこ以外の映画館なんてあの近くにあったか?」

「あるんだよそれが。 ネットで調べたらあるって書いてあったもん。」

「探すのに時間かかりそうだな…。」

「私に調べさせた君が悪い。」

「ま、そりゃ正論だ。」

 

 

 

ハハッと笑って駅に着く。

二人同時に電車から降りて、改札を通り抜ける。

駅の外は、車が行き交う交差点。

信号は、赤だった。

 

 

 

「どっこいしょ。」

「オッサンじゃん。」

「おじちゃん疲れたから信号変わるまでここに座ってる。」

「おじちゃん若いのに何言ってんの。 本当のおじちゃんに怒られるよ。」

 

 

 

少し高めの花壇に腰掛けて信号を待つ。

信号はすぐに青へと変わった。

 

 

 

「ほら、青だよ。」

「俺立てない。」

「何言ってんの。 ほら立って。」

「無理。」

「信号変わっちゃうじゃん。」

「立たせて。」

「あーもう何言ってんのよ。 ほら、もう!」

 

 

 

差し出された手を、引っ張る。

すると案外あっさりと立ち上がった丸井ブン太。

彼はそのまま鞄を背負いなおして歩き出した。

何だ、何なんだよ。 意味わかんない。

 

 

 

「どこにあるんだろーな。」

「映画館?」

「お前何探してんの?」

「…映画館。」

「だろぃ?」

 

 

 

とりあえずぐるぐるぐるぐるその辺りを二人で散策。

服屋の前を通れば新しい服がほしいだの、でもお金がないだの、この前買ったばかりだの、

ジーンズショップの前を通ればジーンズ買いたいだの、でもお金がないだの、我慢するだの、言って歩き続ける。

楽器屋の前を通れば「ってギターとか弾けそう。」って言われた。 「弾けないよ。」って言えば驚かれた。 何で?

怪しいビデオ屋サンの前を通れば「私AVに興味深々なんだ。」って言ったら「やめてくれぃ。」って言われた。

「何でよ。」って拗ねたら「女の子がAVとか言うな。」って言って頭叩かれた。 どうやらダメならしい。

 

あれ美味そう、これ美味そう。

いろんな物に興味を持って、そこからいろんな話に花を咲かせる。

自分の趣味や好みを言うと、彼も自分の趣味や好みを教えてくれる。

それをお互い貶しあったり、意気投合しあったり。 とにかく、会話をしながら歩き続ける。

 

 

 

「なあ、ないよな。」

「…ないね。」

「本当にあんのかよ。 何処だよ。」

「誰かに聞いたほうが…早いかもね。」

「…だな。」

 

 

 

元いた場所に戻って来て、どうやらお互い気づいたらしい。

いくら探しても映画館がないって事に。

 

渋々駅前の映画館の中に入ってみる。

甘いキャラメルポップコーンの匂いがした。

 

 

 

「あそこの受付のお姉さんに聞こうぜぃ。」

「聞いてね。」

「は?」

「私そういうの聞くの苦手なの。」

「…ったく、しゃーねぇな。 すんませーんちょっと聞きたいんですけど。」

 

 

 

丸井ブン太が受付のお姉さんに映画館の場所を聞きに行っている間、私は上映中のポスターを見て回った。

やっぱりこの映画館ではFBは上映していないようだ。 だってポスターがないもん。

ちょっと歩き疲れてきたなと思いながら溜め息を吐いて、

今上映中のホラー映画のポスターを見て「気持ち悪っ。」と一人呟いた。

 

 

 

「おいコラ。」

「痛ッ。」

「うろちょろすんなっつの。 何、これ観るか?」

「ヤダ絶対ヤダ。 夜トイレ行けなくなる。」

「いいじゃん。 行かなきゃ。」

「漏れるでしょ。 とにかくホラーは絶対ヤダ。 ってか映画館の場所わかったの?」

「ん、そこ出て右曲がったらすぐだって。」

「おお、さっき通らなかった場所じゃん。 もうちょっとだったんだね。 惜しかったね。」

「お前が言うな、バカ。」

「イタッ!」

 

 

 

二発も頭叩かれた。 さっきの足したら三回だ。

ちょっとだけ丸井ブン太を睨みながら用のなくなった映画館を出て言われた通りの道を進む。

すると、探し求めていた映画館があっさりと見つかった。 ちぇ、もっと分りやすいところに建ててくれたらいいのに。

 

 

 

「本当に小せぇな。」

「ね、何でこんなところで上映するんだろうね。 人気の映画なのに。」

「ま、観れたら何でもいいんじゃね? エレベーターで上がれってよ。」

「何階?」

「三階。」

「おお、エレベーターも狭い!」

「止まんねぇだろうな…。」

「だ、大丈夫じゃない?」

 

 

 

狭苦しいエレベーターに乗り込んで三階のボタンを押す。

ゆっくりとエレベーターの扉が閉まって、動き出した。

 

 

 

「「………、」」

 

 

 

無言でエレベーターの階表示を見上げる。 一階、二階…。

止まんないかドキドキしながら、だけどこの沈黙の重さにも若干ドキドキしていた。 うん、気まずい。

だけどすぐに三階についたので、扉がゆっくりと開いて私が先に下りた。 続いて丸井ブン太も下りる。

中で上映が始まっているのか、音が漏れていて少し騒がしかった。 …おや?

 

 

 

「あ、あのFBのチケットって…」

「FBですか? そちらでしたら次の上映は最終の二十時四十五分からになります。」

「……おや?」

 

 

 

冷や汗。 ぽろり。

まだ六時になってないのに、何故だろう。

慌てて表示を見てみると、上映開始時刻、十七時二十五分になっていた。

予想外の展開にテンパっている私を余所に、丸井ブン太が無駄ににこやかな店員に言った。

 

 

 

「じゃあそれ二枚。」

「はい、ではお席の方をお選びください。」

「真ん中の方。」

「でしたらこの辺りが空いてますが、どうでしょう。」

「じゃあそこ連番で。 いくら?」

「お二人様で三千円になります。」

「ん、これで。」

 

 

 

気が付けば丸井ブン太は財布を取り出していて、そこから五千円札を店員に渡す。

それを受け取った店員がお釣りの二千円とチケット二枚を丸井ブン太へと渡した。

そこで漸くハッとする。

 

 

 

「お、お金…、」

「とりあえず疲れた。 座りたい。」

「ちょっ、え、あ、はい…!」

 

 

 

さっさと歩き出した丸井ブン太の背中を追って映画館の奥へと進む。

曲がり角を曲がったところに小さなベンチがあって、丸井ブン太はそこに腰を下ろした。

私もその隣に座り、出したままの財布を手持ち無沙汰に丸井ブン太をじっと見つめた。

 

 

 

「あ、チケット俺無くしそうだから二枚持ってて。 ほい。」

「う、うん。 それはいいんだけど…お金。」

「あーあとでいいや。 後で請求する。」

「…そう?」

「そ。 だからちょっと休憩。」

 

 

 

そう言って丸井ブン太はぽすっと寝転がった。 まさかの、私の膝を枕にして。

恐る恐る下を向くと、私の真下で彼と目が合う。 非常に気まずく、思わず固まった。

 

杏璃の言葉を頭で数回確認する。 私達、友達、ですよね? …うん、友達だ。

 

でも私はもう大学生だ。 頭ではテンパっていても、そんなことで動揺を見せたりはしない。

見せるのはあくまで平常心。 顔を真っ赤になんてしない。 なってないはずだ……たぶん。

 

 

 

「…さっきから聞こえてるこの音、FBの映画の音かな。」

「たぶんな。 誰かさんが上映時間間違えたから予定より時間だいぶ空いたぜぃ。」

「ぐっ、でも本当に私が調べた時六時上映があったんだって。」

「ねぇじゃん。」

「……何でだろうね。 私何調べてたんだろう。」

「全くだな。 映画館の場所もわかってなかったし。」

「………すみませんでした。」

「やけに素直じゃん。 ま、レイトのが一本あったし別にいいじゃん。」

「…余計に寝そうだなー。」

「…俺も自信ない。」

 

 

 

二人して弱気発言にぷぷっと笑う。

「長く起きてた方が勝ちね。」って言うと「じゃあ俺の勝ち。」って言われた。 まだやってないのに。

二人が黙ると、ちょっとだけ静かになって映画の音だけが壁を挟んで聞こえる。

目を閉じてよーく耳を澄ませば台詞を聞き取る事ができて、展開を読めてしまいそうだったので慌てて意識を飛ばした。

やだ、楽しみがなくなっちゃう。 危ない危ない。

 

 

 

「お、コラ。 寝るな。」

「時間あるからちょっと寝る。」

「私暇じゃん、起きてください。」

「六時半になったら起こして。 そんで飯食いに行こう。」

「ヤーダー、あと何分あると思ってるんだ。」

「さあな。」

 

 

 

むうっと膨れると、閉じていた丸井ブン太の目がスッと開いた。

ばちっと合った視線に、少しだけまた頭の中はちょっとしたパニック。

でも逸らす事ができなくて、ただ無言でじっと見つめ合う。

丸井ブン太はふっと笑うと私の手を握って自分の頬付近まで連れてくると、また目を閉じた。

え、やっぱり寝ちゃうの? 私この体勢でどうしたらいいの?

 

 

 

「んー、丸井君のバカっ。」

「イテッ!」

 

 

 

軽くお腹をペチッと叩くと、ポンッと景気の良い音が鳴った。

叩いた感触も、音もすごく良かったことに、思わずぷっと噴出して笑う。

 

 

 

「今いい音鳴ったね。」

「うっせー。」

「丸井君、案外肉ないね。」

「当たり前。 良い体系してるだろぃ。」

「うん、良い体系だ。」

 

 

 

笑ってそう言うと、丸井君が目をちょっとだけ丸くする。

「何?」って訊けば「…何でも。」と言って私に背中を向けて寝転がってしまった。

それでも彼の頭が膝から退く事はなく、ちょっと場所が移動しただけなので、

さっきまで頭が乗っていたところがスースーした。

 

 

 

「………、」

 

 

 

訪れるのはまた沈黙。 スースーと寝ているのかわからないが、丸井ブン太の寝息が聞こえる。

規則的なそれを聞きながら、頭に浮かぶ言葉は“暇”それのみ。

とりあえず周りを見渡してみれば、上映予告のポスターばかりだった。

一通り目を通せば暇潰しの道具はなくなって、仕方なく携帯を取り出してメールをチェック。

だけど新着メールがないことに、ちょっとだけ肩を落として携帯を閉じようとした。

 

 

 

(あ、そだ。)

 

 

 

カメラを起動。

そーっと丸井ブン太に近づけて…

 

 

 

カシャッ

「激写っ!」

「バッ、てめっ!!」

「あ、ブレちゃった。」

! お前ふざけんな携帯貸せ!」

「あ、ちょっ、返せ!」

「ほーらこっち向けよ。 ちゃーん、こっち向いてくださーい。」

「ちょっやめっ消したじゃん! 私ちゃんと消したのに! キャーこっち向けないで!」

「ほら、カメラこっちですよー。」

「やめてってばっ! ごめんって!」

 

 

 

ニヤニヤ顔の丸井ブン太が起き上がって私の携帯をこっちに向けてくる。

両手で自分の顔を覆って何とか逃れようと身体を捻るも、カメラがこっちにやってきてさらに反対へと身体を捻る。

すると、目の前には丸井ブン太の胸板が。 …服越しだけど。

慌てて身体を反転させると、今度は私が丸井ブン太の膝の上に崩れ落ちた。

 

 

 

カシャッ

「あ、」

「はい、保存。」

 

 

 

間抜けな顔を写真に撮られて、しかも勝手に保存された。

最悪。 後で絶対消してやると思いながら、のそっと身体を起こす。

乱れた髪を整えて、写真を撮ったことに満足した丸井ブン太から携帯を奪い返した。

 

 

 

「お、この映画冬にやるんだ。 観に行きてー。」

「何、この映画。」

「知らねぇの? 面白いんだぜぃ。 前に後輩の奴からこの漫画借りたらハマッた。」

「へー何かグロそうだよこれ。」

「そこがまたいいんだって。」

「…わからんな。」

「わかれ。」

「無理。」

 

 

 

目の前に飾ってあった上映予告のポスターを見ながら丸井ブン太が言った。

へーこんなの好きなんだ。 そう思いながらその映画の名前を目で辿る。

ちょっとだけまた今度読んでみようかなって考えていたところで、丸井ブン太が立ち上がったことに気が付いた。

 

 

 

「そろそろ行くか。」

「何処に?」

「飯、はまだ早いから…どっか。」

「アバウトだね。」

に言われたかねぇよ。」

 

 

 

そう言ってお互い笑って、私も立ち上がる。

いつの間にか、ずっと感じていた気まずさはどこかに消えてなくなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故か、どうでもいい事なのに、すごく楽しいって感じてしまうの。

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2009.02.15 執筆  サンキュウ・クラップ!

(それは相手が君であったから、なのにね。)